2026年2月24日火曜日

コンビニより近いスマホ

昔は、夜に何かが欲しくなったら、
とりあえずコンビニへ向かった。
部屋着のまま、少し寒い空気の中を歩いて、
明るい光の中に入っていく。

今はどうだろう。
立ち上がる前に、手がスマホを探している。
ポケットや枕元にあるそれは、
コンビニよりもずっと近い。

飲み物も、日用品も、本も、映画も。
欲しいと思った瞬間に、指先で注文できる。
在庫を探す必要もないし、レジに並ぶこともない。

便利になったな、と素直に思う。
時間も体力も、ほとんど使わない。
外に出なくても、世界とつながっていられる。

でも、あの自動ドアの音や、
深夜の静かな街の匂いは、
少し遠くなった気がする。

コンビニへ行くという行為は、
買い物以上の何かだったのかもしれない。
外の空気を吸うこと、
知らない人とすれ違うこと、
ちょっとした気分転換。

スマホは確かに近い。
でも、近すぎるのかもしれない。

欲しいものはすぐ届く。
情報もすぐ手に入る。
だけど、自分の足で歩く時間は、
少しずつ減っている。

コンビニより近いスマホ。
それはこの時代の象徴だと思う。

それでもたまに、
意味もなく外に出て、
何も買わずに帰ってくる夜がある。

その遠回りが、
なぜか少しだけ、心を整えてくれる。

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