そもそもネットなんて、
昔は気軽に使えるものじゃなかった。
思いついたときに、
すぐ開くものでもなかったし、
ちょっと調べる、
という感覚でもなかった。
まず、
つなぐ必要があった。
音がして、
待ち時間があって、
うまくいかなければ、
また最初から。
使う前に、
少し構えていた気がする。
今みたいに、
ポケットから取り出して、
何となく触るものじゃなかった。
ネットは、
「使うぞ」と決めて、
向き合うものだった。
その分、
中に入ったときの感じは、
少し特別だった。
文字が多くて、
画像は少なくて、
でも、
どこか遠くとつながっている気がした。
今は違う。
起きてから寝るまで、
意識しなくても、
ずっとネットの中にいる。
便利になったな、と思う。
それは間違いない。
知りたいことはすぐ見つかり、
話したい相手もすぐ現れる。
ただ、
あの頃のネットには、
境界線があった。
日常と、
つながる世界の間に、
一枚、
扉があった。
今はその扉が、
ずっと開いたままだ。
私は今日も、
特に意識することなく、
ネットに触れる。
便利になった世界は、
準備する時間を、
必要としなくなった。
それが進化なのかどうかは、
たまに、
立ち止まらないとわからない。
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