朝起きて、まず手に取るのはスマホ。
天気も、ニュースも、今日の予定も、
指先ひとつで整っていく。
電車の時間もすぐわかるし、
欲しいものは家にいながら注文できる。
地図も財布も、ほとんど画面の中だ。
便利になったな、と何度も思う。
昔より確実に、暮らしは軽くなっている。
迷うことも、待つことも、減った。
それなのに。
なぜか、余裕が増えた感じはしない。
時間は短縮されたはずなのに、
いつも何かに追われている気がする。
通知に反応し、更新を確認し、
空いた時間を埋めるように画面を見る。
便利さに囲まれているのに、
心は少し忙しい。
もしかしたら、
便利さは「隙間」を許さないのかもしれない。
待ち時間も、退屈も、
すぐに何かで埋められてしまう。
昔は、ぼんやりする時間があった。
何もせず、ただ考えるだけの時間。
あの静かな空白が、
今は少し貴重に思える。
便利になった世界の中で、
あえて何もしない時間をつくる。
通知を閉じて、深呼吸する。
便利さを否定するわけじゃない。
ただ、その中でどう生きるかを、
少しだけ考えたくなる。
便利さに囲まれているのに。
だからこそ、
不便な静けさを探しているのかもしれない。
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