2026年2月8日日曜日

駅の改札は昔は駅員さんが切符を1つ1つ切っていた

駅の改札は、
昔は駅員さんが、
切符を1つ1つ切っていた。

小さな鋏で、
角を切る。

その音と動作が、
改札を通る合図だった。

朝の混雑でも、
駅員さんは手を止めず、
黙々と切符を切っていた。

今はもう、
その光景を見ることはほとんどない。

改札は自動で、
人は立っていない。

カードをかざして、
通るだけ。

止められることもなく、
声をかけられることもなく、
流れはそのまま前へ進む。

便利になったな、と思う。
それは間違いない。

早いし、
正確で、
考える必要もない。

でも、
あの改札には、
人がいた。

毎日、
同じ場所に立って、
同じ動作を繰り返す人。

言葉は交わさなくても、
そこに人がいるだけで、
駅は少しだけ、
生きている感じがした。

今の駅は静かだ。

音はあっても、
気配は少ない。

私は今日も、
何も確認せず、
何も渡さず、
改札を抜ける。

便利になった世界は、
人の手触りを、
そっと置いていく。

それに気づくのは、
たいてい、
通り過ぎたあとだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿