2026年2月8日日曜日

エレベーターってこんなに早かったっけ

エレベーターって、
こんなに早かったっけ、と思った。

ボタンを押して、
少し待つつもりで立っていたら、
もう扉が開いている。

昔はもっと、
待っていた気がする。

表示灯がゆっくり動いて、
途中で止まったりして、
「まだか」と思う時間があった。

今は違う。
呼んだ瞬間に来て、
乗ったらすぐ動き出す。

便利になったな、と思う。
でもその便利さは、
わざわざ言葉にするほどでもなく、
当たり前として処理されてしまう。

待つ時間が短くなって、
ぼんやりする余裕も、
一緒に減った気がする。

スマホを見るほどの時間もなく、
ただ立ったまま、
目的の階へ運ばれていく。

考えごとをする前に、
もう到着してしまう。

早いのは、
間違いなく助かる。

でも、
あの何もしていなかった数十秒が、
実はけっこう、
大事な時間だったのかもしれない。

エレベーターは今日も早い。
私の気持ちを待たずに、
静かに扉が開く。

便利になった世界は、
たいてい、
こうやって音もなく進んでいく。

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