昔は、少し不便なくらいが普通だった。
調べものをするにも、誰かに聞くにも、買い物をするにも、ひとつひとつ時間がかかった。
でも今は、気づけば何でもすぐにできる。
スマホを開けば調べられる。
地図を見れば迷わない。
動画を見ればやり方がわかる。
ネットで注文すれば、家まで物が届く。
便利になったなと思うより先に、もうそれが当たり前になっている。
その中でも、手放せなくなりそうだと思う物がある。
ひとつは、スマートフォンだ。
これはもう、電話というより生活の中心に近い。
連絡、検索、写真、メモ、時計、地図、支払い、ニュース、暇つぶし。
小さな機械の中に、生活のかなりの部分が入っている。
外に出てからスマホを忘れたことに気づくと、少し落ち着かなくなる。
それだけ頼っているということだと思う。
次に、コードレスの家電も便利だと感じる。
コードレス掃除機やワイヤレスイヤホンのような物は、一度使うと元に戻りにくい。
線がないだけで、こんなに楽なのかと思う。
掃除機を出すまでの面倒くささが減る。
イヤホンの線が服や机に引っかからない。
ほんの少しの違いなのに、毎日の小さなストレスが消える。
便利な物というのは、派手に生活を変える物だけではない。
こういう小さな面倒を減らしてくれる物の方が、気づけば手放せなくなっている。
それから、自動でやってくれる物も増えた。
ロボット掃除機、自動調理家電、食洗機、自動で点くライト。
昔なら自分でやるのが当然だったことを、機械が少しずつ代わりにやってくれる。
全部を任せるわけではなくても、ひとつの作業が減るだけで、気持ちに余裕ができる。
忙しい日や疲れている日には、そのありがたさがよくわかる。
「今日はもう何もしたくない」
そんな日に助けてくれる物は、本当に強い。
たぶん、人が便利な物を手放せなくなる理由は、楽をしたいからだけではない。
少しでも考えることを減らしたい。
少しでも疲れを残したくない。
少しでも自分の時間を取り戻したい。
そういう気持ちがあるからだと思う。
便利な物は、人をだめにするという言い方もある。
たしかに、何でも任せすぎると、自分で考えたり動いたりする力が弱くなることもあるかもしれない。
でも、毎日の生活は思ったより疲れる。
仕事、家事、用事、人間関係、ネットの情報。
何もしなくても、頭と体は少しずつすり減っていく。
だから、便利な物に助けてもらうことは悪いことではないと思う。
大事なのは、全部を預けてしまわないこと。
便利な物を使いながら、自分の時間をどう使うかを考えること。
ただ楽になるだけではなく、その分だけ少し休む。
好きなことをする。
考える余裕を持つ。
そうできるなら、便利な物はかなり心強い味方になる。
これからも、手放せなくなりそうな物は増えていくと思う。
新しい家電、新しいサービス、新しい道具。
最初は少し珍しく見えても、すぐに生活の中に入ってくる。
そしていつの間にか、昔はどうしていたのだろうと思うようになる。
便利すぎる時代は、少し怖くもある。
でもその便利さが、人を追い詰めるためではなく、人が少しでも楽に生きるために使われるなら、それは悪い未来ではない。
手放せなくなるほど便利な物。
それは、ただの道具ではなく、毎日の疲れを少しだけ引き受けてくれる存在なのかもしれない。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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