家に入ると、ドアの鍵を触るだけでライトがつき、
音楽が流れ、空気清浄機が「今日もよろしく」と言わんばかりに動き出す。
触るだけで便利になる――便利すぎて、逆に自分の手が何もしなくてもいいのではと不安になる朝。
冷蔵庫の扉を開けると、勝手に温度調節され、飲みたいものがピンポイントで目の前に現れる。
でも、牛乳を手に取ろうとすると、スマート家電が「賞味期限注意」と教えてくれる。
便利なのか、心配なのか、微妙な気分になる。
リビングのテーブルに触れると、コーヒーメーカーが稼働し、椅子が少し傾いて座りやすくなる。
「すごい……でも触らないと動かないのか」と思いながら、つい触りすぎて部屋中の道具に挨拶してしまう。
便利すぎる家は、時にドジっ子でもある。
触った瞬間に勝手に動く電動カーテンが、思わずカーテン越しに頭をぶつけそうになる。
それでも、家全体が自分を助けてくれている気がして、ちょっと笑ってしまうのだ。
触るだけで便利になる家――完璧ではないけれど、毎日少しだけ日常を楽に、そしてクスッと笑わせてくれる。
今日も、便利すぎる我が家に助けられながら、少しだけ賢く、少しだけ面白い朝を迎えるのだ。
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